技術情報（バネの公差）

バネの公差（許容差）

ここではJIS規格（日本産業規格）のものを紹介します。

Ｂ 2704-2「コイルばね－第2部：仕様の表わし方」に規定。

バネの寸法公差（許容差）は、バネ指数（D/d）によって区分さており、それぞれの区分に1級から3級と定められています。
バネ指数が大きくなるにつれて寸法はバラツキやすくなるので、公差（許容差）は大きくなっています。
パーセントと最小値の2種類が定められていますが、比較して絶対値の大きい方を適用します。
公差（許容差）は、片側につけることもできます。この場合には、規格の±の範囲を片側にとることになります。
例えば、規格範囲が±0.2ｍｍでプラス側にだけに公差（許容差）をとる場合には、0ｍｍから＋0.4mmとなります。
また、バネ特性（バネ定数や荷重）に公差（許容差）をつける場合は、寸法は参考数値となります。
一般に密着高さについては指定しません。

バネ（押しバネ、引きバネ）の公差

**バネ（押しバネ、引きバネ）の自由長さの公差**
D/ｄ（バネ指数）	1級 ±％　最小値 ±mm	2級 ±％　最小値 ±mm	3級 ±％　最小値 ±mm
3以上8以下	1.0％　0.2ｍｍ	2.0％　0.5ｍｍ	3.0％　0.7ｍｍ
8を超え 15以下	1.5％　0.5ｍｍ	3.0％　0.7ｍｍ	4.0％　0.8ｍｍ
15を超え 22以下	2.0％　0.6ｍｍ	4.0％　0.8ｍｍ	6.0％　1.0ｍｍ

**バネ（押しバネ、引きバネ）のコイル内径又はコイル外径の公差**
D/ｄ（バネ指数）	1級 ±％　最小値 ±mm	2級 ±％　最小値 ±mm	3級 ±％　最小値 ±mm
3以上8以下	1.0％　0.15ｍｍ	1.5％　0.20ｍｍ	2.5％　0.40ｍｍ
8を超え 15以下	1.5％　0.20ｍｍ	2.0％　0.30ｍｍ	3.0％　0.50ｍｍ
15を超え 22以下	2.0％　0.30ｍｍ	3.0％　0.50ｍｍ	4.0％　0.70ｍｍ

**バネ（押しバネ）の指定長さ時の荷重及び、バネ定数の公差**
有効巻数	1級 ±％	2級 ±％	3級 ±％
3以上10以下	5％	10％	15％
10を超えるもの	4％	8％	12％

引きバネの指定長さ時の荷重の公差（許容差）
有効巻数が３巻き以上のバネにおける指定長さ時の荷重の許容差は次による
　　　　　　±{初張力×初張力のバラツキα＋（指定長さの荷重－初張力）×たわみに対する荷重のバラツキβ}

**初張力のバラツキ　α の公差**
等級	1級	2級	3級
α の値	0.10	0.15	0.20

**たわみに対する荷重のバラツキ　β の公差**
有効巻数	1級	2級	3級
3以上10以下	0.05	0.10	0.15
10を超えるもの	0.04	0.08	0.12

ねじりコイルバネの公差

**ねじりコイルバネ　コイル直径の公差**
D/ｄ（バネ指数）	1級 ±％　最小値 ±mm	2級 ±％　最小値 ±mm	3級 ±％　最小値 ±mm
3以上8以下	1.0％　0.15ｍｍ	1.5％　0.20ｍｍ	2.5％　0.40ｍｍ
8を超え 15以下	1.5％　0.20ｍｍ	2.0％　0.30ｍｍ	3.0％　0.50ｍｍ
15を超え 22以下	2.0％　0.30ｍｍ	3.0％　0.50ｍｍ	4.0％　0.70ｍｍ

**ねじりコイルバネ　コイル部の長さの公差**
D/ｄ（バネ指数）	1級 ±％　最小値 ±mm	2級 ±％　最小値 ±mm	3級 ±％　最小値 ±mm
3以上8以下	1.5％　0.3ｍｍ	3.0％　0.6ｍｍ	5.0％　1.0ｍｍ
8を超え 15以下	2.0％　0.4ｍｍ	6.0％　0.8ｍｍ	7.0％　1.4ｍｍ
15を超え 22以下	3.0％　0.6ｍｍ	4.0％　1.2ｍｍ	9.0％　1.8ｍｍ

**ねじりコイルバネ　腕部の長さの公差**
ｄ（材料の直径）mm	1級 ±％　最小値 ±mm	2級 ±％　最小値 ±mm	3級 ±％　最小値 ±mm
0.1以上0.5以下	2.0％　0.3ｍｍ	3.0％　0.5ｍｍ	4.0％　1.0ｍｍ
0.5を超え 1以下	2.0％　0.5ｍｍ	3.0％　0.7ｍｍ	4.0％　1.5ｍｍ
1を超え 2以下	2.0％　0.7ｍｍ	3.0％　1.0ｍｍ	4.0％　2.0ｍｍ
2を超え 4以下	2.0％　1.0ｍｍ	3.0％　1.5ｍｍ	4.0％　3.0ｍｍ
4を超えるもの	2.0％　1.5ｍｍ	3.0％　2.0ｍｍ	4.0％　4.0ｍｍ